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2006年1月3日(火) 中田英寿コラム 9
ボルトン・中田英寿はなんで干されているのか?   
どうもよく理由が分からない。ボルトンでの中田英寿の扱い方だ。

ボルトンに移籍したのがシーズン開幕間際で、コンビネーションに不安があることが心配されたが、序盤の試合を見る限り問題ないように見えた。結果が求められた序盤、WBA戦での決勝ゴールとチャールトン戦での決勝アシストで信頼を勝ち取ったように見えた。それだけに最近、ベンチ入りメンバーから外れることが多い状況が理解し難い。チームメイトと比べて、能力的に劣っているとはまったく思えない。絶対的な存在のノーランを除くと、ほかの選手より優れたパフォーマンスを見せてきたことは明らかだけど・・・。

ひとつ気になるのはこれまでプレーしたポジション。ボルトンのフォーメーションは、4−1−2−3で、中田が起用されるのは、前目の中盤か、左右のウイングのどちらかだが、これまで、好プレーを見せたのはほとんどが中盤でプレーしたときで、ウイングの位置に入ったときは、確かに思うようなプレーができていない。10月ごろは、重鎮のスピードが怪我でいなかったときは、ファイ、ノーラン、中田でいいコンビを見せていたが、スピードが復帰してからは、ウイングでのプレーを強いられるようになって、パフォーマンスが落ちている。

U17時代はウイングでもプレーした中田だが、本職ではない。タッチライン際では持ち味は発揮し難い。アラダイス監督から、中央に進出しても良いという許可が出ているのであれば問題はないが、どうも、この監督は、ウイングにはサイドに張っているように指示していて、とにかくウイングには、サイドで突破を試みることが求められているようだ。

試合を見ていると、本職のウイングであるセネガル代表のディウフもギリシア代表のヤンナコプーロスも、ドリブルで突っかけては、相手にボールを奪われるというプレーを繰り返しているが、「カウンターを避けるために、ロングボールを多様して、こぼれ球をなるべく、サイドに展開してここから打開していくサッカー」がアラダイス監督のサッカーであるから、優先順位で、中田より突破のできるディウフやヤンナコプーロスの後にくるのは仕方ないとは思う。能力的な問題ではなく、プレースタイルの問題である。

このあたりの考えを、アラダイス監督や中田から話を聞きたいところだが、日本のマスコミにはまったく期待できないので推測するほかない。
せっかく、イギリスに記者を派遣しているのなら、仕事をしてほしいが期待薄。

分かりにくい文になったのでまとめます。

@ ヒデは、中盤で起用された試合は、いいパフォーマンスを見せていた。
A ヒデは、ウイングで起用された試合は、いいパフォーマンスではなかった。(本職ではないので仕方ない。)
B ボルトンの中盤は、前目にノーラン、スピード、後目にファイが基本布陣。
C ノーランは不動なので、当面のライバルはスピード。中盤で起用されたのは、スピードが怪我で不在のとき。スピード復帰後はウイングで起用されることが多い。
D アラダイス監督は、ウイングには、突破力を求めている。
E この結果、出番が減っている。

アラダイス監督がシーズン前に、中田を獲得したのは、中田を中盤において、そのキープ力とアイディアを生かしたサッカーを目指してのことと思われる。今後のボルトンが、ワンランク上のチームとなって、CL出場権を目指すなら、必ず必要とされるときがくるはず。今は辛抱の時期。