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2005年9月16日(金) 中田英寿コラム 2
中田・決勝アシスト ボルトンデビュー戦

UEFAカップも開幕。1回戦でボルトンは、ブルガリアのL・プロフディフと対戦。待望の中田英寿のデビュー戦となった。

ボルトンのスタメン4−3−3で、中盤は、カンポ、オコチャ、中田だが、この3人の位置関係は完全に流動的で、中田も相当の自由が与えられているようだ。メキシコ代表のボルヘッティはベンチスタートで、セネガル代表のデュウフが3トップの中央に入る。一方のL・プロフディフは、アウェーということもあり、守備的な布陣を引いてきた。

前半は、ボルトン側から見ると、非常にフラストレーションが溜まる展開となる。セットプレーのチャンスは数多く作るも、なかなか決定的な場面は訪れない。唯一のチャンスは、前半の10分くらいに中田の右コーナーキックから、クリアボールがもう一度右サイドの中田に展開され、ボールを受けた中田が左足で柔らかいセンタリングを上げ、中央で合わせた場面くらいだった。逆に、35分くらいにカウンターから失点を喫する。

勝たなければいけないボルトンは、後半早々に、3人目の交代も使って攻めに出る。同点ゴールは、右サイドのアーリークロスを、ディウフが頭で合わせたファインゴール。そしてこのまま、試合終了と思われたが、ロスタイムに、左サイドからのセンタリングをペナルティーエリアの中央付近にいた中田が、バックヘッドですらし、待ち構えていたボルヘッティが右足で冷静に決めて勝ち越し、そのまま逃げ切った。

ボルトンとしてみれば、期待の新戦力の中田とボルヘッティが期待通りに結果を出してくれたことで非常にいいムードになるだろう。

ただし、チームとしての課題は山済み。このチームの前線はドリブラータイプで足元でボールをもらいたがる選手が多く、どうしても攻撃時に余計な時間がかかってしまう。ここからは、完全に個人的な意見になってしまうが、CFにボルヘッティを起用し、オコチャをバルサのロナウジーニョ的な器用でウイングの位置に置いて、反対サイドにヤナコプーロスかデゥウフで、中盤に中田、カンポ、スピードを並べるのがバランス的にいいような気がするが。

中田個人の出来としては、彼の力からすれば、可もなし不可もなしといった具合か。極力ボールを持ちすぎず、サイドに展開しようという意識が見られた。心配された、フィジカルもコンビネーションも、特に問題なさそうでひと安心。コンディションがさらによくなれば、独力で突破して、決定的なチャンスを作り出すというチャレンジもしていってほしいと思う。