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2006年1月5日(火) 中田英寿コラム 10
ボルトン・中田英寿の決断
ある選手のサポーターにとっては、好きな選手が怪我で、試合に出られないのは、つらいことだ。不注意の怪我もあるが、ほとんどは不可抗力のものであるから。

ボクは、小倉隆史という選手が好きで、グランパス時代からずっと、応援してきた。ご存知のとおり、この選手のサッカー人生は、怪我との戦いだった。アトランタ五輪の予選を前にしての大怪我と手術の失敗。小倉のいないグランパスの試合を見ることは、分かってはいても、さびしいものだった。

ただ、復活への期待がある分、怪我で試合に出られないほうが、ましかもしれない。好きな選手が、明確な訳もなく、試合に出られないことに比べたら。

怪我でもないのに、ベンチスタートになる、あるいは、ベンチ外でスタンド観戦。楽しみにしていた試合で、期待の選手が見られない悲しさは、サポーターにとって最も辛いことかもしれない。ライバル選手の不出来を期待しながらの観戦ほど、惨めなものはない。

ただ、プレーヤーにとって本当につらいのは、本来のポジションで起用されずに、思うようなプレーを披露できないことかもしれない。

だから、今回の中田英寿の決断には拍手を送りたい。

プロの選手なんだから、監督やチームの言うとおりに、従順にプレーすべきという意見はもっともだ。けれども、プレーヤーとしてのアイデンティティを失ったままでフィールドに立つ、中田英寿の姿はなるべくは見たくない。

やはり、今回、試合出場の機会がなくなったのは、アラダイス監督との確執(確執と書くと大げさだけど・・・)が原因だったのだろう。「ウイングの位置で起用するんなら、ディウフとかヤンナコプーロスを使えばいいじゃん。オレは中盤の前目で使ってくれ」という類の直訴があったことは、推論できる。

ヒデはヒデらしく振舞えばいいと思う、決して妥協をすることなくわが道を行く姿に、多くの人々がひきつけられているんだからね。