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2005年12月28日(月) 中村俊輔コラム 8
劇的な決勝ゴール こんなプレーが見たかった VS リビングストン
セルティックの中村俊輔が、リビングストン戦で見せたゴールはスーパーだった。

うまい動き出しで、相手マークをはがすと、テルファーからのパスを受けながら前を向くと、右にパスをだすというフリをしながら、前に突進して、ドリブルで二人をかわしてシュート体勢に入ると、思い切って二アサイドを狙ったシュートで決勝ゴール。ホームゲーム、しかも87分の時間帯で、ひとりでゲームを決めたという意味で、非常に価値あるゴールだった。

ボクはセルティックでプレーする中村俊輔を、ずっと、不安な思いで見守っていた。このリーグなら、中村が実力の7割程度を出しただけでも十分にプレーできるので、更なる成長が望めないのではないかと思っていた。事実、開幕から10数試合は、要所では光るプレーを見せるが、大部分は単なるつなぎ役になっており、正直、それほど観戦意欲が沸かなかった。そういった懸念も、このゴールを見れば吹っ飛んでしまう。

あまり語られることはないが、中村俊輔ほど、順調に成長を見せるファンタジスタは、世界的に見ても珍しいのではないだろうか。

初めて、この選手を見たのは、1996年、彼が高校3年生の時の、秋のアジアユースの韓国戦。当時は全く無名の存在だったが、とにかく、うまかったし、とにかくプレーがファンタジーに溢れていた。柳沢敦や吉田孝行、山口智といった、すでにJリーグでもプレーする年上の選手を従えて、完全にゲームをコントロールしていた。左サイドを駆け上がる、定定に、繰り出した美しいパスは忘れられない。

その後の活躍は周知の事実なので省略するが、シドニー五輪でも、レバノンアジアカップでも、コンフェデ・フランス大会でも、コンフェデ・ドイツ大会でも、日本の中心として、チームを引っ張った。

ここまで存在感が高まると、新たな心配事が生まれてくる、どうにか、ドイツ大会でベストのコンディションで望めるようしてほしい。今の代表チームは、宮本がいなくても、中澤がいなくても、中田英がいなくても、代役の選手である程度はカバーできるように思うが、中村の不在は埋めようがない、と
思う。