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2006年4月6日(木) 中村俊輔コラム 13
セルティック スコットランドリーグ制覇
セルティックが、ホームで2位のハーツを1対0で下して、はやくも、今シーズンのスコットランドリーグの優勝が決まった。

この試合のセルティックは、開始早々に、ゴールキックから、FWズラウスキーがヘディングですらしたところを、FWハートソンがコントロールミドルを決めて先制。その後は、ハーツに押し込まれるも、何とか守りきった。中村俊輔は、ハーツの激しいプレッシャーに苦しみ、見せ場はほとんどなかった。

勝てば優勝ということで、セルティックが序盤からゲームを支配して、圧倒するかと思われたが、実際には、ハーツのプレスがきつく、今シーズンのワーストゲームのひとつに数えられるくらいの出来だった。勝つには勝ったが、来シーズンのCLでの戦いぶりを考えると不安が残った。

それはさておき、今シーズンのセルティックのサッカーは素晴らしかった。ペトロフ、マローニ、中村俊輔、レノン(ロイ・キーン)で作る中盤は、欧州でも最高のユニットのひとつだろう。テクニック、運動量、得点力、流動性とも文句なし。セルティックパークが、毎試合、大観衆で埋まる理由がよく分かる。来シーズンのCLで戦って、上位を目指すなら、(主力の残留はもちろんだが、)FWに、図抜けた存在の選手が欲しい。ハートソンには波があり、ズラウスキーもCLレベルで見ると凡庸な選手である。CL出場権獲得という餌で、大物を釣りたい。

スコットランドリーグの全体の感想をいうと、レンジャーズの不振は予想外だったが、ハーツの快進撃には驚かされた。前線から激しいプレスをかけて、速い攻めをするというアグレッシブなサッカーは、セルティックをも苦しめた。そのほかのチームも総じてレベルが高かったが、きちんとしたサッカーをするチームが多かったのも好印象。下位のチームでも、守備一辺倒のチームはなかった。

今シーズンの、リーグ最高殊勲選手は、セルティックのステリィヤン・ペトロフで間違いない。ボランチの選手ながら、今シーズンは10得点。苦しい場面で、何度ペトロフのゴールがチームを救ったか分からない。中村俊輔がセルティックに移籍しなかったら、ペトロフの素晴らしさをここまで知ることはなかっただろう。

さて、今シーズンの中村俊輔。目標の1つだった、CL出場はチームのよもやの予備予選敗退でかなわなかったが、非常にポジティブなシーズンだった。シーズン序盤はやや苦戦をしたが、チームに慣れるにしたがって、本来のパフォーマンスを披露した。これまでのマリノス時代やレッジーナ時代は、なんでも自分でやろうとして、時として一人でサッカーをしているような感じがあったのに対して、セルティックではチームメートを信頼して、中盤で余計なボールをもたず、ここ一番の、ここという場面でボールを受けて、自分で仕掛けて決定機を演出できるようになった。判断が良くなって、怖さがよりいっそう増した感じがする。

セルティックと中村俊輔には、来シーズンも大いに期待できるだろうと思う。