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2006年2月14日(火) 中村俊輔コラム 11
セルティックの魅惑的なサッカー 
セルティックのサッカーがいい。いつもSOLD OUTの熱いサポーターに 囲まれて、非常に魅惑的なサッカーをしている。

フォーメーションは、オーソドックスな4−2−2−2。

2トップは、先頃ウェールズ代表引退を表明した、ポストプレーヤーのハートソンと、ポーランド代表のエースでオールラウンドタイプのFW・ズラウスキーのコンビ。中盤は攻撃的な位置は、右サイドが中村俊輔で、左がスコットランド代表のマローニ。下がり目に、ブルガリア代表のペトロフと、守備専門のレノン。タイプの異なる4人で創る中盤は、シンプルだが機能的で、チームとしての意図がはっきり見える。
攻撃のパターンは次の3つ。

1つ目は、トップのハートソンのポストを生かした攻め。幅があって、キープ力のあるハートソンは、ペナルティーエリア近くでも相手DFにつぶされることもなく、ボールを保持できる。強引な突破も可能で、攻撃に落ち着きをもたらす。

2つ目は、左サイドのマローニの突破を生かした攻め。165cmで、レッズの田中達也を思い起こさせるような、小刻みなドリブルと思い切りのいいシュートが持ち味のマローニは、チャンスメーカーとして非常に優秀。マローニの仕掛けから、多くのチャンスが生まれる。

3つ目は、右サイドの中村俊輔を生かした攻め。キープ力のある、中村が右サイドでボールを持つとチームメートは信頼して、攻撃のスイッチが入る。右サイドバックのテルファーがサイドを駆け上がっていき、ハートソンはぺナ付近中央でボールを受ける体勢に入り、ペトロフは躊躇なく前線に飛び出していく。そんな中で中村は、自ら仕掛けて突破を試みることも出来るし、シンプルにはたいてマークをはぐらかすことも出来るし、単純にクロスを上げることも出来る。

攻撃的か守備的かを見分ける方法として、一番分かりやすいのは、アタッキングエリアでボールを持ったときに、味方のサポートがどのくらいあるのかと、クロスを上げたときにどれだけの枚数がゴール前に集まっているかのふたつ。(よくシステムで攻撃的とか守備的だとか判断する人がいるが、これは無意味。)ただし、むやみに前出ても、つなぎの段階でボールをとられたら大ピンチに陥るわけで、このマインドのおかげで、多くのプレーヤーは前に出るよりも、自制が働いてしまう。確実にキープの出来る選手がいるかどうかは、大きい。

スコットランドのサッカーというと、とかくキック&ラッシュのイメージをもたれるが、セルティックのサッカーは異質。昨日のオールドファームダービーで対戦した、レンジャーズと比較してもやわらかさは際立つ。来シーズンのCLが楽しみだ。