トータルフットボール 別館

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グループF 対戦国 分析   オーストラリア
2006/5/27(土)
今回は、第1戦の対戦相手のオーストラリアの分析をしてみたい。サンプルは、5月24日に行われた、ホームでのギリシャ戦。

オーストラリアの分析の前に、ギリシャの現状をまとめる。ユーロチャンピオンのギリシャだが、今回のワールドカップへの出場は果たせなかった。その理由は、予選を勝ち取るだけの力がなかったということだろう。シーズンオフで、オーストラリアにやってきたということで、観光気分だったのではないだろうか。ユーロ2004当時の鋭さは全く見られなかった。ギリシャの攻撃が、ロングボール主体で、変化に乏しかったので、オーストラリアのセンターバックの力を把握するだけのチャンスを作れなかったのが分析する上で、不満だった。


ここから、オーストラリアの分析に入る。


オーストラリアは4−2−1−2−1。右サイドバックが、ブラックバーンのエマートン。センターバックが、ニューカッスルのムーアとブラックバーンのニール。左サイドバックが、バーゼルのチッパーフィールド。クリーナとグレッラのダブルボランチ。トップ下に、スココ。1トップでビドゥカで、その周りに、ステリョフスキとブレッシャーノ。

                 ビドゥカ

          ブッレシャーノ   ステリョフスキ
                       
                 スココ
                
            クリーナ     グレッラ

  チッパーフィールド ムーア  ニール   エマートン

                 カラッチ

(攻撃)

・ビドゥカの1トップ。
・攻撃は、まず、ビドゥカにあてて、周りが押し上げる。
・ビドゥカへの周りのサポート速い。
・ビドゥカは足元も巧い。
・ビドゥカの足元へのパスをカットできるとカウンターの大チャンス。
・ハーフウェーライン近くから、サイドバックがアーリークロスを上げることが多い。精度は、まずまず高い。
・スココがトップ下をしていたが、本番はケーヒルか。
・スココは、それほど特徴のない選手。
・ステリョフスキの位置には、本番はキューエルが入るか。
・ブッレシャーノとステリョフスキは、サイドアタッカーではない。ポジションは流動的で、シャドーストライカー。決定力は、それほど高くない。
・サイド攻撃は、それほど多くないが、右サイドバックのエマートンのオーバーラップからのクロスに注意。エマートンはボールを持てる選手で基点になれる。
・チッパーフィールドが左サイドバックで左利き。攻撃力はあるが、守備は不安。
・ボランチのクリーナは、アタッカーとしてもプレー可能。足技あり。要周囲人物。変化をつけられる唯一の選手。
・ダブルボランチは、クリーナがゲームコントロールをして、グレッラがバランスを取る。
・セットプレーはブッレシャーノが担当。右足の精度が高い。
・セットプレーはトリックプレーが多い。
・セットプレーはファーサイドに蹴られると、折り返しを決められて失点する可能性が高い。
・ビドゥカの代わりに、トンプソンが1トップになるとサッカースタイルが変わる。トンプソンはスピードがあって、裏への飛び出しに特徴がある。

(守備)

・ゴールキーパーのカラッチの飛び出しは不安定。判断が悪い。
・右サイドバックのエマートンはオーバーラップが多い。裏にスペースがある。
・左サイドバックのチッパーフィールドは、それほどオーバーラップはない。
・ラインコントロールはなかなか。ラインは高めだが、ポゼッションされると、すぐにラインが下がって、守備ブロックを形成。
・逆サイドがあくこと多し。サイドバックが中に絞りすぎ。サイドチェンジが有効。
・中盤のプレスはきつい。
・ムーアとニールのセンターバックは、高い。
・セットプレーの壁が高い。
・ステリョフスキのディフェンス甘い。
・チッパーフィールドに代わってポポビッチが入ると3バックとなる可能性と、ニールが左サイドバックに入る可能性の2パターンある。

(まとめ)

攻撃は、ビドゥカ中心で、中澤がビドゥカのポストプレーを封じられるかが、大きなポイントとなりそうだ。ビドゥカに背負ってボールを持たれると、ファールでしか止められないかもしれない。ただし、ビドゥカがポストプレーにこだわりすぎて、下がってくることが多いので、決定的なシュートシーンはなかった。流れの中で、ビドゥカに得点される可能性はそれほど高くないだろう。点を取られるとしたら、ビドゥカよりも、ブッレシャーノやキューエルの飛び出しからのゴールだろう。ブッレシャーノのマークは坪井だと予想されるが、ここもキーポイントになるだろう。

セットプレーは、要注意。ブッレシャーノとキューエルのキック精度はかなり高い。トリックプレーを含めて、危険度は高い。なるべく、セットプレーの機会は与えたくない。

中盤の要注意人物は、ボランチのクリーナ。この人が攻守の要なのででなんとしても抑えたい。クリーナの前線への飛び出しを、中田の攻撃力と守備力で抑えたい。逆にいうと、クリーナが前に出たときに、カウンターのチャンスが作れそうだ。

守備は、センターバックの高さと強さは申し分ないが、スピードに欠ける。センターバックの一人をサイドにつり出したい。サイドバックの、エマートンとチッパーフィールドは、本職のサイドバックではないので、加地や三都主が1対1で勝負すれば、かなりの確率で抜けるだろう。
また、サイドの裏にスペースがあるので、中盤で日本がボールをもったときに、中田からのサイドチェンジが有効となるだろう。

(結論)

オーストラリアは組織的でいいチーム。さすがに、ヒディンクが作ったチームという感じで、意外性はないが、実直なサッカーをするチームである。キューエルが絶好調でない限り、特出した選手はいないので、日本にも、十分勝ち点獲得のチャンスがあるだろう。もし、前半の早い時間に先制点を取れれば、日本の一方的な展開になる可能性もあるが、先制点を取られると、オーストラリアの強固な守備ブロックを崩すのはつらいだろう。